那覇地方裁判所 平成5年(行ウ)1号 判決 1997年3月18日
沖縄県平良市字西里二三八番地
原告
平良重信
右訴訟代理人弁護士
羽地榮
沖縄県平良市字東仲宗根八〇七番地の七
被告
平良税務署長 仲里善徳
右指定代理人
小澤正義
同
畑中豊彦
同
安里国基
同
武藤彰
同
呉屋育子
同
郷間弘司
同
荒川政明
同
松田昌
同
古謝泰宏
主文
一 原告の請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は、原告の負担とする。
事実及び理由
第一当事者の求めた裁判
一 請求の趣旨
1 被告が平成元年六月三〇日付けで原告の昭和六一年分の所得税についてなした更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をいずれも取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
二 請求の趣旨に対する答弁
主文同旨
第二事案の概要
一 事業の要旨
本件は、自己所有の土地及び建物と他人所有の土地及び建物を交換した原告が、右交換は、所得税法五八条の交換の特例の適用があるとして分離長期譲渡所得を零円として申告したところ、被告は、右交換の際に原告に対して支払われた補償金を交換の代価として交換の差額を計算するとそれは二〇パーセントを超えていること、また、建物については交換後の用途が同一とは認められないことを理由として、右交換の特定の適用はないとし、更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしたので、原告が、右処分には所得を過大に評価したなどの違法があるとして、その取消しを求めた事案である。
二 争いのない事実等
1 本件土地建物の交換の経緯
(一) 原告は、別表二の「交換譲渡資産」欄記載の土地(以下「本件譲渡土地」という。)<1>及び<2>を所有し、また、同土地上に、同欄記載の建物(以下「本件譲渡建物」という。)<1>及び<2>を所有して、右各建物を合資会社グランド国映(以下「グランド国映」という。)に、賃料月額一〇万円で賃貸し、グランド国映は、右建物で映画館(国映舘)を経営していた。
(二) 株式会社琉球銀行(以下「琉球銀行」という。)は、別表二の「交換取得資産」欄記載の土地(以下「本件取得土地」という。)<1>ないし<3>を所有し、また、右<1>及び<3>土地上に、同欄記載の建物(以下「本件取得建物」という。)<1>ないし<3>を所有して、店舗、支店長社宅及び行員寮として使用していた。
(三) 原告及びグランド国映は、昭和六〇年二月二〇日、琉球銀行との間で、原告所有の本件譲渡土地<1>及び<2>並びに本件譲渡建物<1>及び<2>と琉球銀行所有の本件取得土地<1>ないし<3>及び本件取得建物<1>ないし<3>との相互交換に関する土地建物の交換賃貸借に関する基本契約(以下「本件基本契約」ともいう。)を締結した。
右基本契約には、琉球銀行は、原告及びグランド国映に対し、グランド国映の休業に伴う補償として、休業補償金五四九八万円及び通常損失補償金五二四〇万六〇〇〇円の合計一億〇七三八万六〇〇〇円(以下「本件補償金」ともいう。)を支払う旨規定されていた。
(四) 原告は、同年九月二日、琉球銀行との間で、本件基本契約に基づき、本件譲渡土地<1>及び<2>と本件取得土地<1>ないし<3>につき、土地交換契約を締結した。
右契約においては、基本契約のとおり交換を行うことのほか、原告と琉球銀行は、それぞれ所有の土地につき、所有権の完全な行使を阻害する一切の権利及び公租公課その他の賦課金の未納に基づく一切の負担を所有権移転のときまでに除去すること、交換物件の所有権移転登記申請は昭和六〇年一二月末日までに行うことなどが定められていた。
(五) 原告及びグランド国映は、右同日、琉球銀行との間で、本件基本契約に基づき、本件譲渡建物<1>及び<2>と本件取得建物<1>ないし<3>につき、建物交換契約を締結し、これに基づき取得した本件取得建物<1>及び<3>につき、琉球銀行に対し、店舗及び共同住宅として賃貸する旨の建物賃貸借契約を締結した。
(六) 原告は、同月六日、右(四)及び(五)記載の土地交換契約及び建物交換契約に基づき生じた交換差金(別表二の交換譲渡資産から交換取得資産を差し引いた金一六一万四〇〇〇円)を琉球銀行から受け取った。
(七) 原告は、本件基本契約に基づき、琉球銀行から、本件補償金一億〇七三八万六〇〇〇円につき、右同日に金八八六九万九〇〇〇円を、昭和六一年三月一三日に金一八六八万七〇〇〇円をそれぞれ受け取った(これが、原告が本人として受け取ったものであるか、グランド国映の代理人として受け取ったものであるかについては、後記のように争いがある。)。
(八) 本件取得土地及び建物については、昭和六一年一月一〇日付けで原告に、本件譲渡土地及び建物については、昭和六一年二月二四日付けで琉球銀行に、いずれも、昭和六一年一月九日交換を登記原因として、所有権移転登記がされた。
(九) グランド国映は、原告から、本件取得土地<2>を地代月一〇万円で賃借し、昭和六一年四月一五日に、同土地に映画館及び店舗を新築した。
2 本件課税処分の経緯
(一) 原告は、医薬品販売業を営む者であって、青色申告者である。
(二) 原告は、昭和六一年分の所得税について、法定申告期間内に、被告に対し、確定申告書に、別表一の「確定申告」欄のとおり、事業所得及び不動産所得の金額を記載し、交換に伴う所得(分離長期譲渡所得)の金額は零円として申告した。
(三) その後、原告は、被告の指摘により、昭和六二年一〇月二九日、前記1(六)の交換差金一六一万四〇〇〇円を申告していなかったとして、別表一の「修正申告」欄のとおり、経費等を差し引いた所得金五二万八四二六円を分離長期譲渡所得として修正申告した。
(四) これに対し、被告は、平成元年六月三〇日、別表一の「更正処分等」欄のとおり、分離長期譲渡所得の金額を金四億一一九八万九四九〇円、納付すべき税額を金一億三五七〇万九四〇〇円、重加算税の額を金四〇二四万五〇〇〇円とする更正処分及び重加算税賦課決定処分をした(以下「本件課税処分」という。)。
(五) 原告は、被告の本件課税処分を不服として、平成元年八月二八日付けで沖縄国税事務所長に対して異議申立てをしたが、同所長は、平成元年一二月五日付けで、これを棄却する旨の決定をした。
(六) そこで、原告は、平成元年一二月二六日、国税不服審判所長に対し審査請求をしたところ、同所長は、平成四年一一月二五日付けで、更正処分に対する審査請求を棄却し、重加算税賦課決定処分の一部を取り消す旨の裁決をし、右裁決書は、同年一二月一日に原告に送達された。
三 争点
1 本件更正通知書には、理由の付記がないが、これは、所得税法一五五条二項、国税通則法二八条二項に違反するか否か。
2 原告と琉球銀行との間の本件交換に、所得税法五八条の交換の特例の適用があるか否か。
第三当裁判所の判断
一 争点1(更正通知書に理由の付記がないことは違法か)について
所得税法一五五条二項は、総所得金額の更正をする場合には、更正の理由を附記しなければならない旨規定している。
しかしながら、右規定は、「前項第一号に規定する事由のみに基因するものを除く」としているところ、前項第一号とは、「その更正が不動産所得の金額、事業所得の金額及び山林所得の金額以外の各種所得の金額の計算のみに基因するものである場合」を指し、また、所得税法二条二二号によれば、右「各種所得の金額」には「譲渡所得の金額」も含まれる。
したがって、本件の更正処分のように、譲渡所得のみについての更正処分の場合は、更正の理由の付記が必要でないことは条文上明らかである。
よって、原告の主張は理由がない。
二 争点2(本件交換に所得税法五八条の交換の特例の適用があるか否か)について
1 本件土地建物の交換に至る経緯
成立に争いのない甲第四、第一五、第一六号証、乙第二一、第二二、第二七、第二八、第三二ないし第三四号証、原本の存在及び成立に争いのない乙第一ないし第三、第五ないし第七、第三五号証、証人下地惠昭(以下「下地」という。)の証言によって真正に成立したものと認められる甲第一号証、原告本人尋問の結果によって真正に成立したものと認められる甲第一九号証、証人奥作雅美(以下「奥作」という。)の証言によって真正に成立したものと認められる乙第一一、第一四、第一六号証、弁論の全趣旨によって真正に成立したものと認められる乙第三六ないし第三八号証、証人奥作、同下地の各証言、原告本人尋問の結果に弁論の全趣旨を総合すると、次の事実が認められる(なお、この認定に反する証人奥作及び同下地の証言部分並びに原告本人尋問の結果部分は採用しない。)
(一) 原告は、本件譲渡土地<1>及び<2>を所有し、同土地上に、本件譲渡建物<1>及び<2>を所有して、右建物をグランド国映(なお、同社の無限責任社員は、原告の配偶者である平良恒である。)に対し、賃料月額一〇万円で賃貸し、グランド国映は、右建物で映画館(国映舘)を経営していた。
(二) 琉球銀行は、本件取得土地<1>ないし<3>を所有し、また、同土地上に、本件取得建物<1>ないし<3>を所有して、店舗、支店長社宅及び行員寮として使用していた。
(三) 琉球銀行は、昭和五八年五月ころから、沖縄県平良市に店舗(宮古第二店舗)を新設する構想をもち、その候補地を探していた。
(四) 原告は、昭和五九年一一月三〇日、狩俣幸一(以下「狩俣」という。)から、別表二の「賃貸資産」欄記載の賃貸土地(以下「本件賃貸土地」という。また、譲渡土地<1>及び<2>並びに本件賃貸土地を「本件原告所有土地」ともいう。)を購入した。
(五) 同年一二月二五日、当時、琉球銀行本店企画総務部調査役として宮古支店の店舗移転先の用地取得を担当していた奥作雅美(以下「奥作」という。)は、株式会社沖縄協栄産業会長であった砂辺幸二郎(以下「砂辺」という。)を通じて、原告に対し、琉球銀行が宮古支店の店舗移転用地として本件原告所有土地を考えている旨伝えたところ、原告は、前向きに検討する旨の回答をした。
なお、これ以後、琉球銀行と交渉にあたったのは、原告のみであり、グランド国映の代表者である平良恒は、後記する本件各契約締結のときを含めて、交渉の場には立ち会わなかった。
(六) そこで、奥作は、同月二九日、「宮古第二店舗の設置は延期したい。原告所有土地に店舗を移転新築したい。そのために原告との折衝を開始したい。」とする「宮古第二店舗(平良支店)構想の変更について」と題する稟議書を起案し、右稟議書の内容は、昭和六〇年一月八日の琉球銀行の常務会に報告され、右常務会ではこれを承認し、右構想に全力を挙げることを指示した。
右稟議書では、本件原告所有土地の取得の方法として、原告所有の土地三筆(本件譲渡土地<1>及び<2>並びに本件賃貸土地)と琉球銀行所有の本件取得土地<1>及び<2>とを交換し、交換によって生ずる差額は金銭的に解決することとなっていた。
(七) 昭和六〇年一月八日、琉球銀行企画総務部長仲吉良治(以下「仲吉」という。)と奥作らは、原告と会い、琉球銀行の店舗用地として原告所有土地を使用させて欲しいと正式に意思表示した。
これに対し、原告は、前向きに検討したいと返事をし、その際、節税について対策したい旨話した。
(八) 同月一六日、奥作は、琉球銀行庶務部調査役友寄と共に原告と会い、その際、原告は、琉球銀行の店舗を作ることに原則的に同意した。そして、その方法として、奥作は、原告に対し、原告所有の土地三筆及び建物二棟と琉球銀行所有の土地三筆及び建物三棟とを交換し、交換によって生ずる差額は現金で支払いたいと申し入れた。
これに対し、原告は、交換によって生ずる差額を現金で受け取ると、税金に七〇パーセントくらいもって行かれるので痛いなどと言った。
また、原告所有の土地につき、奥作が坪単価金一〇〇万円くらいかなどと探りを入れたところ、原告は、坪単価金一五〇万円くらいなどと答えた。
同日夜、奥作は、原告と会ってその本心を聞いたところ、交換した場合、自己の土地建物を手放して琉球銀行の土地建物を手に入れることになるが、あまりメリットがない、本心としては、金二億円ないし三億円のプラスアルファが欲しいとの感触であった。
(九) 同月一七日、原告は、奥作に対し、原告所有の土地につき、「コザ支店方式」(土地の総価格の五〇パーセントを保証金として差し入れ、期間三〇年の地上権を設定するもの)を考えてくれと提案した(なお、原告は、同月二四日にも、琉球銀行に対し、書簡で、交換によると節税対策ができないので「コザ支店方式」にして保証金を地価の五〇パーセント積んで欲しい旨伝えた。)。
奥作は、これを持ち帰って、仲吉と相談したが、琉球銀行としては店舗用地は自らで所有する方針であったため、これには応じないこととした。
(十) また、琉球銀行は、銀行の場合、店舗用の土地建物を取引するには、大蔵省の許可を受けなければならず、そのためには当該不動産について鑑定評価することが必要であったので、同月一八日、原告所有の土地建物について鑑定をした下地が代表取締役である有限会社南西不動産鑑定所(以下「南西不動産鑑定所」という。)に対し、琉球銀行所有の土地建物について鑑定を依頼した。
なお、鑑定評価額について、奥作は、以後、たびたび、南西不動産鑑定所に問い合わせをしている。
(十一) 奥作は、同月二六日、琉球銀行宮古支店長富永と共に原告と会って交渉した。
その際、原告は、「コザ支店方式」は保留したいとし、そして、原告所有の土地三筆及び建物二棟と琉球銀行所有の土地三筆及び建物三棟につき、<1>土地と土地、建物と建物とで交換する、<2>双方の土地を鑑定し、鑑定評価額を基準として総価額を算定し、交換物件を決定する、交換特例の適用が受けられないことから残った土地については、話し合いにより、賃借によるか売買によるかを決定する、<3>建物についても鑑定評価額を基準として交換する、<4>琉球銀行は、国映舘の休業補償と改造費を負担するとの案を提案した。
また、原告は、交換にあたっては、土地建物の価格は鑑定評価額以内に抑え、総価格との差額は節税のため休業補償として支払って欲しいと要請した。
なお、詳細については鑑定評価書ができてから相談することとし、また、同年二月一九日までに契約することで基本的に合意した。
(十二) 同年二月二日、奥作は、宮古グランドホテルで原告と話し合ったが、その際、原告は、保証金を含めないで金一億五〇〇〇万円ないし金一億七〇〇〇万円欲しいと希望した。
(十三) 同月四日、奥作は、南西不動産鑑定所で原告と話し合ったが、その際、原告は、合計で金二億円(保証金九〇〇〇万円を含む。)を希望した。奥作がこれを仲吉に伝えたところ、金二億円でやむを得ないとの意見であった。
(十四) 翌五日、奥作は、これまでの原告との交渉経過をまとめた稟議書を提出し、決裁を受けた。
それに、税務対策が原告の絶対条件であり、両者は、土地と土地、建物と建物の等価交換による交渉を進めたこと、土地については、原告所有の本件譲渡土地<1>及び<2>は、調査後の鑑定評価額は坪単価金一四〇万円の合計四億一四五九万六〇〇〇円であったが(当初、原告が坪単価金一五〇万円と言っていたことから、「調整後」と記載されている。)、これを坪単価金一三〇万円の合計三億八四九八万二〇〇〇円とし、琉球銀行所有の本件取得土地<1>ないし<3>は、鑑定評価額どおり、合計三億八〇一六万八〇〇〇円とし、これと前記金三億八四九八万二〇〇〇円との差額金四八一万四〇〇〇円は、琉球銀行から原告に対して支払うこととすること、残余の土地(本件賃貸土地)については、琉球銀行が原告から保証金九〇〇〇万円、借地料月額金五六万六〇〇〇円で賃借することとし、つぎに建物については、まず、原告所有の本件譲渡建物<1>及び<2>は、鑑定評価額どおり、合計金五六八〇万円とし、琉球銀行所有の本件取得建物<1>ないし<3>は、当初、鑑定評価額は合計金八九三三万円であったが、これを合計金六〇〇〇万円とし、これを前記金五六八〇万円との差額三二〇万円は、原告から琉球銀行に対して支払うこととすること、また、補償については、原告は、休業補償として金五〇〇〇万円、顧客喪失補償として金二五〇〇万円、プラスアルファとして金一五〇〇万円の合計金九〇〇〇万円を、物件補償として金五〇〇〇万円を各要望しているが、昭和六〇年二月二日及び同月四日の原告との交渉を踏まえると、物件補償については、原告は、金三〇〇〇万円から金四〇〇〇万円で妥結することを予想しているようであることなどが記載されている。
(十五) そして、奥作は、同月一二日、「(原告との間の)交換交渉を進めてきたところ、条件の整備ができたので、以下のとおり実行したい」旨の稟議書を提出し、決裁を受けた。
それには、前記(十四)記載の稟議書の内容のほか、本件取引によって琉球銀行が原告に対して支払う金額について、それが、土地建物の交換差額金一六一万四〇〇〇円、土地賃借保証金九〇〇〇万円、営業保証金五四九八万円、物件保証金五二四〇万六〇〇〇円の合計金一億九九〇〇万円であること、保証金九〇〇〇万円については、琉球銀行が原告所有の本件賃貸土地を購入するときにその代金に充当されること、この決済後、本件土地建物の基本契約を締結することなどが記載されている。
(十六) 以上の経緯を経た後、同月二〇日、原告及びグランド国映と琉球銀行は、原告所有の本件譲渡土地<1>及び<2>と琉球銀行所有の本件取得土地<1>ないし<3>、原告所有の本件譲渡建物<1>及び<2>と琉球銀行所有の本件取得建物<1>ないし<3>を各交換し、本件賃貸土地を原告が琉球銀行に賃貸する旨の土地建物交換賃貸借に関する基本契約を締結した。
そして、右基本契約では、琉球銀行は、原告及びグランド国映に対し、映画館の休業に伴う補償として、休業保証金五四九八万円及び通常損失保証金五二四〇万六〇〇〇円の合計金一億〇七三八万六〇〇〇円を支払う旨規定された。
なお、右基本契約書には、契約の履行にあたっては、個々の取引につき個別の契約書が作成される旨記載があり、また、その主体として、「甲」には原告とグランド国映、「乙」に琉球銀行が各記載され、それぞれ記名押印されている。
(十七) 同年三月三〇日、原告と琉球銀行は、右基本契約に基づき、本件賃貸土地について、土地賃貸借契約を締結した。
この間に、原告から、保証金について、原告が狩俣から本件土地を購入した代金が金一億二〇〇〇万円であるため、これが六〇〇〇万円以上となると、実質的な譲渡所得とみなされてこれに対して課税されるおそれがあるので、これを当初の金九〇〇〇万円から金六〇〇〇万円に下げ、その見返りとして、引下げ額金三〇〇〇万円の利廻りに相当する額の地代の値上げをしたいとの提示があり、琉球銀行はこれを了承したので、右契約において、その部分につき、基本契約を変更した。
(十八) また、その後、原告は、本件補償の金額について、総額一億七三八万六〇〇〇円は変更せず、休業補償を金一八六八万七〇〇〇円に、物件補償を金八八六九万九〇〇〇円に変更するように申し入れし、琉球銀行はこれを了承した。
なお、南西不動産鑑定所が作成した調査報告書(甲第一号証)には、営業補償金一八六八万七〇〇〇円、機械設備類の移転費用金三八二二万二〇〇〇円、その他の項目金五〇四七万七〇〇〇円と、これに沿った記載がされている。
(十九) 同年九月二日、原告は、琉球銀行との間で、本件基本契約に基づき本件譲渡土地<1>及び<2>と本件取得土地<1>ないし<3>の土地交換契約、本件譲渡建物<1>及び<2>と本件取得建物<1>ないし<3>の建物交換契約並びに本件賃貸土地の賃貸借契約を各締結した。
右交換契約においては、基本契約のとおり交換を行うことのほか、原告と琉球銀行は、それぞれその所有の土地又は建物につき、所有権の完全な行使を阻害する一切の権利及び公租公課その他の賦課金の未納に基づく一切の負担を所有権移転のときまでに除去することが定められていた。
また、右契約書には、その主体として、「甲」には原告とグランド国映が、「乙」には琉球銀行が各記載され、それぞれ記名押印されている。
(二十) 同月六日、琉球銀行は、原告に対し、右土地交換契約及び建物交換契約に基づき生じた交換差金とし、金一六一万四〇〇〇円を支払った。
(二一) また、琉球銀行は、本件基本契約に基づき(ただし、支払期日については契約書上は昭和六〇年八月一日)、原告に対し、本件補償金一億〇七三六万六〇〇〇円につき、右同日に金八八六九万九〇〇〇円(第一回目)を、昭和六一年三月一三日に金一八六八万七〇〇〇円(第二回目)をそれぞれ支払った。
なお、右支払いに関する領収書には、グランド国映の住所と会社名が記載され、代表者印が押印されているほか、原告も署名捺印しており、また、琉球銀行の支払伝票は、第一回目の支払の宛先を原告とし、第二回目の支払の宛先はグランド国映であるが、琉球銀行宮古支店の原告名義の普通預金口座に入金されている。
また、基本契約において、それぞれの契約につき個別の契約書を作成することとなっていたにもかかわらず、本件補償金については、個別の契約書は作成されなかった。
(二二) 本件取得土地建物については、昭和六一年一月一〇日受付で原告に、本件譲渡土地建物については、同年二月二四日受付え琉球銀行に、いずれも、昭和六一年一月一九日交換を登記原因とする所有権移転登記がされた。
(二三) グランド国映は、原告から、本件取得土地<2>を地代月一〇万円で賃借し、昭和六一年四月一五日に、同土地に映画館及び店舗を新築した。
2 以上認定した事実によれば、原告と琉球銀行が本件交渉を開始した当初、原告所有の土地三(本件譲渡土地<1>及び<2>並びに本件賃貸土地)と琉球銀行所有の本件取得土地<1>及び<2>とを交換し、交換によって生ずる差額は休業補償として琉球銀行が支払う旨の話し合いがされていたこと(この際、建物の交換について生じる差額については考慮されていない。)、その後、原告と琉球銀行は、もっぱら、原告に対して支払われるべき補償金額について協議していること、本件各建物の調整前の当初の鑑定評価額、原告所有の本件譲渡建物<1>及び<2>が合計金五六八〇万円、琉球銀行所有の本件取得建物<1>ないし<3>が合計金八九三三万円であり、琉球銀行所有の本件取得建物<1>ないし<3>の合計額の方が原告所有の本件譲渡建物<1>及び<2>の合計額を上回っており、琉球銀行から原告に対して支払われるべき交換差額が生じることはあり得ないこと(なお、原告は、評価額が調整された事実を否定するが、乙第一〇号証によれば、「評価額」を「交換価額」に調整したことが明記されており、また、証人奥作も、「等価交換を成立させるために圧縮させた。金八九〇〇万円が出たが、これでは等価交換の二割を超えるので金五九〇〇万円に評価を見直してもらった。」旨証言し、これを認めていることから、この事実は優に認められる。)、本件において、グランド国映の代表者である平良恒は、琉球銀行との間の交渉に全く関与しておらず、もっぱら、原告が交渉し、本件契約の締結までしていること(原告は、平良恒の配偶者であり、また、グランド国映の有限責任社員でもある。)、本件基本契約及び本件建物交換契約において、グランド国映は、当事者として記載されてはいるが、それと共に、原告も、同じ箇所(「甲」欄)に表示されていること、本件基本契約によると、琉球銀行とグランド国映との間で本件補償金に関する個別的契約書が作成されなければならないのに、本件補償金についてはその支払い時期に変更があったにもかかわらず、これが作成されていないこと、本件補償金の領収書には、グランド国映の住所と会社名が記載され、代表者印が押印されているが、原告も署名捺印しており、かつ、その支払のあて先が原告となっていたり、原告名義の口座に振り込まれたりしていることなどが認められる。
3 以上の諸事情を総合考慮し、これに加え、本来、土地建物の交換の場合、その土地建物に関する賃貸借関係を終了させた上で交換するのが通常であり、かりに、その一方の土地建物に賃借人がおり、営業を行っているときには、その者に対する営業補償等の支払は、本来、当該所有者がすべき筋合いのものであり、その相手方がすることは不自然であること(なお、原告は、所得税基本通達三八の一一が「土地、建物等の取得に際し、当該土地、建物等を使用していた者に支払う立退料その他その者を立ち退かせるために要した金額は、当該土地、建物等の取得費又は取得価額に算入する。」と定めていることから、立退料等は、土地建物等の取得者が支払うことはないとする前提は誤りである旨主張する。しかしながら、右通達は、土地建物の購入に際し、その土地の借地人又は建物の借家人を売主が立退料等を負担して立ち退かせた場合には、その立退料等は、その土地建物の価額に含まれていると考えられることから、土地建物の購入後、その土地建物を購入した者が立退料等を支払って借地人、借家人を立ち退かせ、その土地建物を使用することとした場合には、その土地建物の取得費に算入することを認めるとしたにすぎないものである。本件の場合、本件土地建物交換契約において、原告と琉球銀行は、それぞれその所有の土地又は建物につき、所有権の完全な行使を阻害する一切の権利及び公租公課その他の賦課金の未納に基づく一切の負担を所有権移転のときまでに除去する旨が定められていることからすれば、本件は右通達の適用場面ではないので、原告の右主張は失当である。)を併せ鑑みると、原告と琉球銀行との間の本件取引の実態は以下のとおりであったものと認められる。
すなわち琉球銀行が新店舗用地として本件原告所有土地を手に入れたいと考え、琉球銀行の所有土地と原告の所有土地との交換を(それと共に、その土地上の建物についても交換する必要があった。)原告に対して申し入れたとろ、原告は、これを了承したが、この機会に税金を支払うことなく利益を得たいと考えた。そのため、原告は、交換特例の適用を受けることを企図したが、そのためには、差額が取得土地又は譲渡土地の価額の二〇パーセントを超えないようにする必要があった。そこで、まず、建物については、鑑定によって評価された額を調整することにより二〇パーセントを超えないようにし、また、土地については、鑑定によって評価された額を交換の特例の要件に該当するように調整し、当初の評価額と交換価額の差額をグランド国映に対する休業補償の名目で(なお、その後、これは、交換差金、土地賃貸借補償金、営業補償及び物件補償という内訳となった。)原告が取得することとした。(なお、本件補償金の対象は形式的にはグランド国映であるが、前記したように、本件において、グランド国映の代表者である平良恒は、琉球銀行との間の交渉に全く関与しておらず、もっぱら、原告が交渉し、本件契約の締結までしていること、本件基本契約及び本件建物交換契約において、グランド国映は、当事者として記載されてはいるが、それと共に、原告も同じ箇所(「甲」欄)に表示されていること、本件基本契約によると、琉球銀行とグランド国映との間で本件補償金に関する個別的契約書が作成されなければならないのに、本件補償金についてはその支払時期に変更があったにもかかわらず、これが作成されていないこと、本件補償金の領収書には、グランド国映の住所と会社名が記載され、代表者印が押印されているが、原告も署名捺印しており、かつ、その支払のあて先が原告となっていたり、原告名義の口座に振り込まれたりしていること、原告は、グランド国映の代理人として本件補償金を受け取ったとするが、代理権を証する書面を提出していないことなどからすれば、これを取得したのは実質的には原告であることは明らかである。〕というものであると認定できる。
4 以上によれば、原告が当初琉球銀行から支払を受けることとなっていた本件補償金を含む金一億〇九〇〇万円(原告が休業補償名目で琉球銀行から取得することとなっていた金一億九九〇〇万円から、本件賃貸土地の保証金とされた金九〇〇〇万円を控除した金額)が本件土地交換の交換差金にあたることは明らかである。
5 なお、原告は、本件交換に係る土地建物には不動産鑑定士による鑑定評価額があり、これに基づいて本件交換がされているのであるから、右価額以外に本件土地建物の価額はなく、原告が取得した本件土地についての交換差金は鑑定評価額の差額である金四八一万四〇〇〇円以外にはない旨主張する。
しかしながら、本件においては、前記認定のように、原告と琉球銀行は、本件交換に交換の特例を適用させるため、建物については、本件取得建物<1>ないし<3>につき、鑑定によって評価された額を調整してその要件を充たすようにし、土地についても、本件譲渡土地<1>及び<2>につき、鑑定によって評価された額を調整した上、当初の評価額と交換価額の差額を営業補償等の名目で授受することとしている(なお、証人下地及び原告は、価額を調整したことを否定するが、乙第一〇号証に「調整後評価額」との記載があること、その他に「交換価格」との記載があるところ、その額が鑑定評価額となったことが認められ、この一事をもってしても、原告と琉球銀行との間で合意された額に鑑定評価額を調整したことは明らかである。)。このような手段によって算定された鑑定評価額を所得税法五八条の「交換の時における価額」と認めることができないととは明らかである。
したがって、原告の前記主張は採用しない。
6 以上の検討を踏まえて、本件土地交換に所得税法五八条の交換の特例の適用があるかを検討するに、まず、琉球銀行所有の本件取得土地<1>ないし<3>の合計価額金三億八〇一六万八〇〇〇円は、鑑定評価額に基づいたものであり、また、その評価額の算定にあたって調整されたことは認められないから、客観的な価額ということができるが、原告所有の本件譲渡土地<1>及び<2>の合計価額金三億八四九八万二〇〇〇円は、前記のとおり、その鑑定評価にあたって調整されたことが認められるから、これを客観的な価額と認めることはできない。
そこで、本件取得土地<1>ないし<3>の客観的価額である金三億八〇一六万八〇〇〇円と交換差金一億〇九〇〇万円の合計額金四億八九一六万八〇〇〇円と本件譲渡土地<1>及び<4>の客観的価額を比較し、前者が大きい場合には、本件譲渡土地<1>及び<2>の価額を金四億八九一六万八〇〇〇円、本件取得土地<1>ないし<3>の価額を金三億八〇一六万八〇〇〇円とし、また、後者が大きい場合には、本件譲渡土地<1>及び<2>の価額を本件譲渡土地<1>及び<2>の客観的価額、本件取得土地<1>ないし<3>の価額を本件譲渡土地<1>及び<2>の価額から交換差金一億〇九〇〇万円を差し引いた価額とし、これに基づき所得税法五八条の要件に該当するか否かを検討することとする。
まず、本件譲渡土地<1>及び<2>の客観的価額が金四億八九一六万八〇〇〇円より小さい場合は、交換譲渡土地と交換取得土地のうち価額が大きい交換譲渡土地の価額の二〇パーセントは金九七八三万三六〇〇円となり、本件交換差金一億〇九〇〇万円はこれを超えている。
つぎに、本件譲渡土地<1>及び<2>の客観的価額が金四億八九一六万八〇〇〇円より大きい場合は、交換譲渡土地の客観的価額が金五億四五〇〇万円(坪単価金一八四万三一四五円)以上であれば、交換差金一億〇九〇〇万円は交換譲渡土地の価額の二〇パーセント以内となるが、前記1で認定した本件の経緯からすれば、原告所有の本件譲渡土地<1>及び<2>の客観的価額がこれ以上とならないことは明らかである。
7 以上によれば、まず、本件土地交換には所得税法五八条の交換の特例は適用されないこととなる。
8(一) つぎに、本件建物交換に所有税法五八条の交換の特例が適用されるかを検討するに、前掲乙第二七、第二八、第三二ないし第三四号証によれば、本件取得建物は、銀行、居宅及び共同住宅であり、他方、本件譲渡建物は、映画館及び店舗兼事務所であることが認められる。
(二) 右によれば、原告の本件取得建物のうち、譲渡直前の用途と同一の用途に供されているのは本件取得建物<1>の銀行のみであり、同<2>及び<3>については、用途の同一性がないこととなる。
したがって、所得税基本通達五八の五によれば、本件取得建物<2>及び<3>の価額は交換差金に該当し、これは交換価額の二〇パーセントを超えているから、本件建物交換に法五八条の交換の特例は適用されないこととなる。
(三) この点につき、原告は、「本件譲渡建物<1>の映画館の用途は店舗であり、本件取得建物の<1>の銀行も店舗の用に供されていたのであるから用途の同一性は失われていない。また、本件譲渡建物<2>の用途は店舗兼事務所となっているが、同建物の二階と四階は従業員の社宅として使用ていたものであり、本件取得建物<2>及び<3>も居住の用に供していたから用途の同一性がある。」として、本件取得建物全てにつき用途の同一性がある旨主張している。
しかしながら、そもそも、所得税法が五八条で交換の特例を定めたのは以下の理由による。
すなわち、固定資産を所有していても、それを活用するためには、それが有している個性、すなわち、所在、地形、面積等により多大な影響を受け、特に、移動不能な土地にあっては、その特性が活用策を決定する上で、長所ともなり、短所ともなる。そこで、所有する固定資産の特性としての短所を補い、さらに有効活用を図る方策として、所有する湖底遺産を他の者が所有する固定資産と交換することが考えられる。しかしながら、交換は、財産権を移転する契約の一種であるから(民法五八六条)、譲渡の一形態として、資産の譲渡に含まれることとなり、税法上、交換に伴う譲渡益は、原則として、課税の対象となることとなる。しかしながら、交換によって取得した資産について、従前と同じ用途に供した場合は、実質的に所得が発生したとの観念が乏しく、単に、所有する資産の名義人が代わっただけという認識しかないため、これに課税関係を発生させることは、担税力の観点からも相当ではない。そこで、例外として、一定の要件を備えた場合には、その譲渡がなかったものとすることとしたのである。
したがって、あくまでもこれが例外である以上、その要件は厳格に解すべきであるところ、映画館等の劇場と一般の店舗及び事務所とでは、これを交換した当事者としても、それが従前と同じ用途に供していると認識しているとするのは不自然である。また、これに加え、収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例を定めた租税特別措置法施行規則一四条三項は、一号から四号まで、所得税基本通達五八の六と同様に規定された上で、五号において、「前各号のほか」として、「劇場の用」が規定されており、「店舗又は事務所の用」と「劇場の用」とを明確に区別していることなどを併せて鑑みると、「映画館の用」は、所得税法基本通達五八の六第二項の「その他の用」の区分に該当し、「店舗又は事務所の用」の区分該当しないと解するのが相当である。
したがって、原告所有の本件譲渡建物<1>の用途は、琉球銀行所有の本件取得建物<1>の用途とは同一ではないといわなければならない。
つぎに、原告主張のとおり、本件譲渡建物<2>の用途と本件取得建物<2>及び<3>の用途がかりに同一であるとしても、両者の価額の差額金八一〇万円は、両者のうち価額の大きい琉球銀行所有の本件取得建物<2>及び<3>の合計額金二七六〇万円の二〇パーセントを超えているから、所得税法五八条の交換の特例の適用はないことになる。
なお、原告は、この点につき、所得税法五八条の取得資産と譲渡資産の価額差が両者の価額の大きい価額の二〇パーセントを超えないことという要件について、資産の種類ごとにその全体の価額で判断すれば足りることを前提とした主張をしているが、所得税基本通達五八の五が、交換により種類を同じくする二以上の資産を取得た場合において、その取得した資産のうちに譲渡直前の用途と同一の用途に供さないものがあるときは、当該用途に供さなかった資産は取得資産に該当せず、当該資産は交換差金等になると規定していることなどからすれば、前記要件については、資産の種類が同一で、かつ、同一の用途であることが認められた資産について判断すべきことは明らかであり、原告の主張はその前提に誤りがある。
9 譲渡所得の金額について
(一) 以上のとおり、本件土地建物の交換には、所得税法五八条の交換の特例は適用されない。
(二) そこで、原告の譲渡所得の収入金額は、取得資産である土地の価額金三億八〇一六万八〇〇〇円に、取得資産である建物の価額金六〇〇〇万円及び交換差金一億〇九〇〇万円(本件補償金一億〇七三八万六〇〇〇円に、受取交換差金四八一万四〇〇〇円を加算し、支払交換差金三二〇万円を控除した金額)を加えた五億四九一六万八〇〇〇円であり、譲渡所得は、これから、取得費金二七四五万八四〇〇円(譲渡収入金五億四九一六万八〇〇〇円に五パーセントを乗じた金額)と譲渡費用金一億〇八七二万〇一一〇円(本件補償金一億〇七三八万六〇〇〇円にその他の費用金一三三万四一一〇円を加えた金額)及び特別控除額金一〇〇万円を控除した金四億一一九八万九四九〇円となる。
(三) したがって、右金額の範囲内でされた被告の本件課税処分は適法である。
10 過少申告加算税賦課決定処分について
前記のとおり、原告が昭和六一年分の所得税の確定申告を過少に行っていたことから、被告は、国税通則法六五条一項及び二項に基づき過少申告加算税(裁決によって重加算税を取り消した後)の賦課決定処分を行ったものである。
したがって、被告の過少申告加算税賦課決定処分は適法である。
第五結論
以上の次第であるから、原告の本訴請求は理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担について、行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 稲葉那季 裁判官 近藤昌昭 裁判官 平塚浩司)
別表一
本件課税処分等の経緯
<省略>
別表二
交換資産等の内容
<省略>